登山 ときどき秘境駅

栃木県宇都宮市在住。登山と秘境駅のログです。基本ぼっちのアラフォーだよ。

【栗山】日向鉱山跡に行ってきたよ【廃墟】

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日光市栗山 旧日向村にある日向鉱山跡

昭和の香り漂う旧林道をひたすら歩き、気を抜けば崖転落という凄まじい道にヒィヒィ言いながら。

3時間歩いた先にあったのは、すべてが朱茶色に染まった、ノルタルジー漂う鉱山跡地。

錆びつきながらも朽ちることもなく、未だほぼ原型を留める車輪や歯車たちは、80年前の鉱山最盛期には700人もの人々が働いていたという、当時の様子をありありと物語ってくるようで・・・

センチメンタルになりながらも、歴史の一片に触れた1日でした。

 

 

というわけで、栗山ツアーで日向(ひなた)鉱山跡 廃墟トレッキングが開催されます。

もちろん私、張り切って申込したんですよ。ハィ。

でもね。当日、外せない予定が入り、泣く泣くキャンセルに(TOT)

 

うーん。来年もあるよ!と言われても、諦めきれない。

実は図書館の郷土ライブラリで「栗山村誌」とか「奥鬼怒山地ー明神ヶ岳研究ー」とかでがっつり調べてて。しかもネットで検索したら、具体的な場所わかっちゃったし(^_^;)

これは行くしかないのでは?と悩んでいたところ、偶然、三倉山でお会いした女性から久々の連絡が!&「命の保証ないですけど、どうですか」との誘いに、あっさり同行OK♪

 

よっしゃ~!ということで、思い切って行ってきました。

 

が。

とりあえず最初に言っておきます。

高所恐怖症の方や、何かあったら自身で対処出来ない方は、基本的にツアーを利用するのが懸命です。

最初の2時間は全然問題ないけど、最後の1時間めっちゃ気抜けない&気を抜いたら崖転落ですわぃ!

危険箇所かなり多いので、私も同行者いなかったら途中で引き返していたかも。

というか。

相変わらず栗山ツアー、いろいろ攻めてんなぁ・・・(^_^;)

正直、ガイド担当のネイチャープラネットさんが設置してくれたロープがあって大変助かったのですが(本当にありがとうございました!)それでも結構危なかったです。

むしろ、ツアーにしちゃって、大丈夫なんかぃ?

 

にゃので、これを見て自力で行こうと思ってる方は、詳しい場所とか道の詳細についてはGoogle先生とか図書館で自分で調べて欲しいかな。

とっても詳しく説明されているブログがヒットするはずで、これに勝る情報量はありせぬ。

私もかな~り参考にしました。ブログ主様、本当にありがとうございます。

 

とまぁ、情報各所にご挨拶したところで、ツッコミどころ満載の行程をざっくり報告。

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8:50出発 なんだけど、最初っから通行止めの理由が不明&微妙にゲート開いてるwww

なお、駐車スペースは3台です。

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危ないので、今回は同行者ありにしたよ!しかも登山歴結構長いベテランさんです。大変心強かったですし、道中の話がとっても楽しかった♪

主婦ならでわのお得な山情報満載で、ずっとワィワィ会話が弾みっぱなしでした(*^^*)

ぼっちじゃなくて本当に良かった。

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そしてスタート付近からなかなか離れられない私達・・・orz

この看板、栃木県内で意外と見ますね。シュールな絵が結構好き。

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10年前ぐらいまでは使用されていた林道を歩く。ちょぃ古い地図にはしっかり載っていて、湯西川まで続いていますよ。紅葉は終わりかけ。落ち葉でふわふわになった晩秋の道を歩いていきます。

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秘境駅とかに必ずある昭和ノスタルジックな廃自動車。

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まぁ言い換えれば「落石注意」なんだろうが・・・

基本的には「落ちてる石に注意」なんだよなぁ。ここ。歩きづらくって。

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9:20 大滝沢林道へ(右折)。ペースはかなりゆっくりです。

ここからどんどん道が荒れていきます。 

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ちょくちょく道が分断されているので、山側か沢側へ回り込む。危険箇所にはロープが・・・最初は申し訳なくて使えなかったですが、後半からガンガン使ってました。本当にありがとうございます。

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この先にあった、見たことのない古いジュースの空き缶類。ミッキー・・・

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大滝沢のこの青さに目を奪われるが、足元がやばいので、よそ見する時は注意です。

鉱山が稼働してた時は、公害で魚が住めなくなってたとか書いてありました。

今はだいぶ変わったみたいだけど・・・

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道分断は数カ所あり。ありすぎて数え切れない。途中から慣れてくる。

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途中あった鹿の完全骨格。素敵すぎたので、いい感じにしといたよ。

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とにかく見どころが多い。小さい滝がいっぱいで、これだけでも満足。

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車が入って来れたのか!?と疑問に思ってしまうほどの旧林道。看板が新しめに見えるのだが・・・錆びない理由とかあるのかしら?

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暗渠がいっちゃってますやん!と某ブログより・・・

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徐々に道が登山道というか、崖に沿うような感じに。沢に向かって斜めになっているので、足滑らせたらアウト。結構怖い。

昔はここを通って、牛や馬で荷物を上げていたのだろうか? 

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ここが一番怖かった・・・足滑らせたら、10m以上滑落します。

高所恐怖症の方などは、引き返す勇気も大切です。

でも、ここをクリアすれば、鉱山跡地はすぐそこ。

 

12:00 鉱山跡到着 (3時間ほどかかりました)

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にょ!ついた。

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にょにょにょ!

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にょにょーん。

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大きな車輪。素敵。でも、何に使ったのかは不明。

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これが資料にあった索道かしら?

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それに使われた車輪かな?

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この周りには電気関連の部品と思われるものも多数落ちてました。

栗山村誌によると、

「索道は見通しのよい尾根筋などの上に、高い木製の枠を作りそこに車輪を取り付け、太い鉄のロープを電気の動力で動かして荷物の運搬にあてるもの」

とあったので、これかなと。

ちなみに麓の日向地区からここまで伸びていたんだそうで。

小さい鉱山だったようですが、戦時中の金属不足を影で支える存在だったそうです。

ちなみに7割が銅。その他3割は亜鉛等だったそうです。

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破砕機らしいです。堂々の風格。

当時も、鉱山を象徴する機械だったのかなぁ~?と妄想にひたる。

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破砕機の奥は、一気に人間臭くなります。ストーブっぽぃものや・・・

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トイレ発見。便器がそのまんま残ってる。

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この先の丘の上に小学校の建物が。かなり朽ち果ててます。

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あいや~(>_<)

あと、調子乗って学校の石垣の上歩いてたらバランス崩して、なぜかバク転しながら落ちた。ザック背負ってたので、クッションになって無事ではありましたが。

同行者、めっちゃビックリしすぎて、ちょっと引いてました。本当にごめんなさい・・・(-_-;)

 

のんびり散策したあとは、のんびりご飯食べて・・・

 

13:15 出発 → 15:45 駐車場到着(だいたい2時間半)

てな感じで戻ってきました。

ゆっくりペースで往復7時間というところでしょうか。

 

私はこのあと、黒部温泉元湯四季の湯さんへレッツラゴー。

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温泉独り占めで、のんびり疲れを癒やしてから帰りましたとな♪

 

 今回は、かなりの健脚者と一緒だったので無事で行けたけれど、正直、滑落してたら、どうなっていたか・・・不安は拭えませんでした。

しかも私、左指に落石が当たって、結構流血したしね・・・山でのケガは大人になってからは初めてだよ・・・

(小さい頃は崖とか木から落ちまくって、頭から血を流すのは週末の日常だったw)

良かった点と言えば、初めて地図アプリ導入してみたけれど、なかなか良い感じで、道中めっちゃ使えたことかな?

これからいろいろな場面で使えそうだなぁと夢膨らんだところです。

 

というわけで今回は終了!

明日からまた仕事が山積みだーぃ!頑張るやーぃ!

 

追記:

奥鬼怒山地ー明神ヶ岳研究ー 橋本太郎 現代旅行研究所 昭和59年出版

こちらの本には、日向鉱山についての記録が多く残っています。お暇な方はぜひ読まれてみるとよろしいかと。(宇都宮図書館にありまっすー)

ちなみに筆者さんは、明神ヶ岳頂上からアタックしてて、なんか超カッコイイ♪

その他にも感心するルートがいっぱい掲載してあるので、熟読なうでございます。

日向鉱山では、多くの朝鮮人(全体の7割)がここで強制労働させられていて、日本人との交流は絶たれていたこと(もちろん差別もあったそうです)。また劣悪な環境により人身事故が耐えなかったそうです。

鉱山から戻って来てから改めて読み返すと、鉱山手前にあった石積みは朝鮮の方が住まれていたところだったのかぁ~とか気づく点も多く、来年またじっくり訪ねたい場所になりつつあります。

筆者曰く「戦争という異常な社会情況時に繁栄をみせ、敗戦とともに閉山せねばならなかった・・・。」うんうん。日向鉱山跡の哀愁は、この一言に尽きますわーと思ってしまいました。

 

同じ栗山村川俣地区の西沢鉱山跡は金山なので、また違う歴史を辿っているのが面白いですね。

とまぁ、ちょっと鉱山関連に足を一瞬踏み込んでしまって、来週は宇都宮アルプスにある富井鉱山跡に行って来ようかなとか思い始めて、こんな自分に困ってます。